家に入れなくても、窓をケチ破ぶる勇気がない

ロックな人生を送っている人であれば、カギを落としたり忘れたりして家に入れなくなるという状況に陥ったとしても窓をケチ破って家の中に入るものかもしれません。しかし、それはあくまでもロックな人生を送っている人の話であり、非常にチキンな私の場合は、家に入れなくても窓をケチ破る勇気がないです。頻繁にカギを忘れたままで外出し、カギがかかった状態の時に帰宅することが多いのですが、そのようなことが起こる度に「自分はなんとちっぽけな人間なのだろうか」と深く沈み込んでしまいます。

普通は家に入れなければ、他の家族が帰ってきて玄関を開けるまで友達と遊んだり、喫茶店などの時間つぶしができる施設を利用したりするでしょうし、人によっては冒頭にも言ったような窓をケチ破って中に入るという場合もあるでしょう。しかし、私の場合はそんなことができませんから、ずっと家の前で家族が帰ってくるのを待ち続けます。それも日によっては2時間から3時間もの間ですので、相当長い時間であることは間違いありません。春や秋といった気候的に落ち着いている時期であればそれほど家族の帰りを待つことは苦ではないですが、これが猛暑の日々や極寒の冬などであれば別もので一分一秒を家の外で過ごすことが大変な苦痛になってしまいます。

こんな時に窓をケチ破る勇気があれば、わざわざ外で暑さや寒さに耐えながら心細く、そして身体的にも負担のある時間を過ごさなくていいのではないかと自分を責めます。本来はカギを忘れてしまうことが問題なのでしょうが、いざそのような事態に陥ればやはりその時の自分の行動のできなさに苛立ちを持ってしまうものなんです。

これから先の未来も、定期的に私は家のカギを忘れて外に締め出されたままということが頻繁にあると思います。そして同じように、窓をケチ破る勇気は持てないまま、自分に負担を加えながらも家に入れない状態のままで耐え続けてしまうのでしょう。